
2007年11月1日、株式会社ドリーム・アーツ(以下ドリーム・アーツ)と株式会社ドリコム(以下ドリコム)との共催で“現場からの革新セミナー”が開催されました。 ドリコム 執行役員 長谷川敬起氏からの開会のご挨拶に続き、株式会社ドリーム・アーツ営業統括本部マーケティング部長桑原寛より“現場と経営の距離感を埋める企業内コミュニケーションのあり方”と題して講演を致しました。
■強い組織作りのカギは経営と現場のコミュニケーション
講演の冒頭で、企業内コミュニケーションに関するアンケートから“上司も部下も50%以上が互いのコミュニケーションに不満を抱いている”という結果を紹介。一方、コミュニケーションが深まれば仕事のパフォーマンスが向上するという意識を上司と部下合わせて90%以上が抱いている結果に触れ、コミュニケーションと仕事の成果が大変密接に関連していることを指摘します。
次に社内コミュニケーションの目的と種類を整理。社内で行われるコミュニケーションは三つのレイヤーで捉えることができ、トップのレイヤーが企業の3年後、5年後の姿などの“ビジョン”。中間のレイヤーはビジョンを実現するための“競争戦略”、ピラミッドのベースとなるのはオペレーションを担う“現場”。壮大なビジョンも緻密な戦略も、その遂行は現場次第。強い組織作りの基盤は、経営と現場の距離を縮めるスムーズなコミュニケーションだと述べます。
■企業内コミュニケーションを妨げる4つの課題とは?
続いて、現代では顧客嗜好の多様化や競争のボーダーレス化、製品ライフサイクルの短縮化といった現象から、かつての成功の方程式、今までどおりのやり方は通用せず、企業は以前にも増して変化が多く複雑な市場を乗り切っていくことが求められていると説明します。多くの企業がこの環境変化に対応すべくITを活用していますが、それらは業務のITへの置き換え、言い換えれば自動化・機械化による省力化・省人化を主眼とするもの。今後は、現場社員の創造性や解決能力を増幅させる支援ツールとしてのITの役割を高めることが、強い企業であり続ける要素として不可欠です。
ところが、現在の企業には現場社員の創造性や問題解決能力の妨げとなる要素が多く存在します。1つめは主業務への投下時間の圧迫。昨今では、大量リストラ等により社員一人当たりの業務内容は複雑化し、業務量の増加に苦しむ企業の現場が増えています。また、いまだ手作業で対応をしている各種の社内調整やメールの整理、トラブル対応などの付随業務や突発業務がうまくコントロールしきれていない現状があります。 次にEメール偏重の情報共有やコミュニケーションが引き起こす“情報の洪水”、3つめは部署間の情報が共有されていない“部署間の情報の谷間”、最後に、情報の散在を引き起こし必要な情報検索の効率を悪化させる“業務システムの乱立”について指摘しました。
■“攻めのコミュニケーション”で組織パフォーマンスを向上させる
続いて、社内コミュニケーションが十分に取れている企業/不十分な企業でのパフォーマンスの違いを解説。情報共有が不十分な組織では、隠蔽体質になりがちであり、共有されたとしても情報の発信者か受け取り手の都合の良いように加工され、適正に共有されないと指摘。また、組織の“今”が伝わらないため、上からの指示を待つ指示待ち社員が増加し、現場からの業務改善がなされない組織が出来やすくなると述べます。
一方、情報共有に積極的な企業は、経営陣や社長からのトップダウンは勿論、ボトムアップ、ヨコ展開とあらゆる方向に情報が共有され、社員が情報を通して会社の現状をよく理解することで、自律し考え動く社員が育成されます。「強い組織作りには、雑務を軽減し、情報の洪水を治水する仕組みと、創造性、解決能力を増幅させるための直接対話の時間を増やす環境が必要です。自律し考え動く社員が育成され、組織全体のパフォーマンスが向上する状態を作る、これこそ企業に必要な攻めのコミュニケーションです。」と桑原。

最後に、強い組織作りのための情報共有ツールとしてINSUITE®Enterprise、11月1日に最新バージョンをリリースし、決裁から企画開発といった複雑な業務プロセスまで幅広く対応可能なプロセスエンジン搭載の文書データベース、
■現場でのフラットなコミュニケーションが必要
今企業に必要なのは、「現場でのフラットなコミュニケーションです」と長谷川氏は提起します。現場・現物・現実の“三現主義”の徹底でASIMOを生んだHONDA、“カイゼン”プロセス定着させ、強い企業として君臨し続けるトヨタ、自由に話し合う環境作りを重視する世界的なデザインファームIDEOなど各企業の実例を挙げ、「現場の声を活かし、フラットな情報交換ができる組織環境を備えることが重要ではないか」と強調します。

一方で、情報共有が十分に出来ていると認識している企業は少ないと指摘。リサーチ結果を紹介した上で、現在の多くの企業では知識やノウハウが共有できておらず、部署や職位を超えたコミュニケーションが不十分。更に誰がどんな情報を知っているか把握できていないという課題に直面していると解説します。
そこで、企業にとって“現場の声を届ける場”、“自分の意見を発信する場”、“組織の壁を越え自由に議論する場”が大切であると説明。その“場”を実現するためのフレームワークとして、社内ブログ・SNSが有効であると述べます。
社内ブログ・SNSは、各社員が部門単位やテーマ毎にブログを持ち、一人一人が簡単に情報を発信できる仕組み。社内ブログ・SNSにより社員の気づきや業務の進捗、有益なアイディアといった価値ある情報の発信や共有が容易になり、必要な情報をすぐに見つけ出せる環境が生まれる、と説明します。

■社内ブログ・SNSの“Web2.0”効果と“手帳”効果
続けて、社内ブログ・SNSには“Web2.0効果”と“手帳”効果があると説明。“Web2.0効果”としては、まさにWeb2.0の特性と言える利用者参加型の情報共有の仕組みやロングテイル効果を挙げ、"全員の力を集めての経営"を実現できると解説。また、社内ブログ・SNSは身近な手帳と特徴が良く似ていると指摘。その“手帳”効果として知的発見を記載していくことで、その発見を失わせずに活かすことが可能になると説明しました。
最後に、日本で最初にブログを開始したブログのパイオニアであるドリコムが企業向けにチューニングした社内ブログ・SNS“ドリコムブログオフィス”を紹介。製品利用事例では、「現場の声がリアルに伝わり、商品解説に活かせる場ができた」「刺激を受け、モチベーション向上につながる場」ができた等の顧客の声を披露。ドリコムブログオフィスは、現場の一人一人の声を発信し自由に議論する場を提供することで、社内イノベーションを起す現場力を向上させることができると述べ、講演を閉じました。