業務システム部 部長 岡田 章二 様フリースブームから約5年、今では全国及び海外に約600店舗を展開するファーストリテイリングでは、ユニクロの再成長を目指し、経営改革及び全社システムの再構築プロジェクトを推進中である。現在見直されているシステムは、同社が東証2部に上場した6年前頃に構築されている。
爆発的なフリースブーム、そしてそのシンボル的存在とも言える原宿店のオープン以前に、500店舗の規模での展開を想定して作られたシステムは、業態や事業規模などの拡張に合わせて追加・改変が加えられており、システムとしては複雑なものが出来上がっていた。これを是正し、今後更なるグローバル展開を目指すユニクロに見合うシステム構築を目指すべく、今回の事業インフラ再構築プロジェクト―G4プロジェクトが立ち上がった。
業務システム部 高橋 修 様「店舗の自立」は、ユニクロのG4プロジェクトを理解する上での重要なキーワードの一つだ。ユニクロでは、本部が商売のあり方を決定し店舗はそれに追随するだけ、という運営方法を止め、あくまで店舗が商売の主体となり、本部はこれをサポートするという方法に切り替えた。各店舗が商売力をつけることが売上増加に直接影響すると考え、フランチャイズ制度や、ユニクロ大学の設立により、人の育成を強化しているという。そしてこの体制を支えるための仕組みの一つが、ドリーム・アーツが参加して開発した、情報共有システム―umix(umix: Uniqlo Merchandise and Marketing Information Complex)である。
チェーンストアを運営する上で、本部と店舗との円滑なコミュニケーションは欠かせない。両者は売上促進策としての様々な定性情報を日常的に共有する。例えばキャンペーン情報について、旧来は本部から全店舗へカラーコピーを配布するという方法がとられていた。しかし店舗数の急増とともに効率化の必要が生じ、ユニクロではこのumixを通じてコミュニケーションのあり方を再定義したのだと言える。 umix導入により、本部が提供する、商売を行う上で役立つ大量の情報は、店舗において端末から入手することができるようになり、 情報伝達のスピードアップ、 ペーパーレスの実現とともに本部が店舗の自立を支援するという体制が強化されるようになった。
umixは主に本部-店舗間の情報共有をより強固に、より効率的に行うことを目的として構築されたが、情報共有システムの更なる拡張版として、特に今回は本部に眼を向けた企業ポータルの構築を目指し、INSUITE®の導入が決定されることとなった。
「小売業で使うポータルとは何かと考えたときに、お客様に接しているのは店舗なんだということを真っ先に思い出しました。店舗で見ている情報と同じものを本部で見る、ということが最優先課題だったのです。お客様と直接対面していない本部のスタッフが小売業の社員としてまず知っておくべきことである、『店では何が起こっているのか』を本部で見ることができるシステム構築を目指しました」
ポータルにより、売上などの数字のほか、店舗で現在何が起こっているのかを一目で理解できるような仕組みができあがった。必要であれば本部から店舗へ人的支援を行うことなども、このポータルにより柔軟且つ迅速に対応できるようになり、店舗を中心とした体制作りは強化されるようになった。
なお、ポータル構築にあたっては、当初INSUITE®とは別の製品導入を検討していたという。
店舗で見ている情報と同じものを本部で見る「製品選定は主に技術的な側面から行われましたが、そのアウトプットは本来目指していたものから徐々に外れてしまっていました。一目で見てわかる、直感的に情報の入り口となるべきものというのが必要でしたが、それが弱いシステムになっていました。画面に表示すべき情報が多くなると、領域の都合上、なるべく無駄を省いた形で情報を集約しなくてはなりませんが、 必要な情報のすべてをそのまま集めて表示させてしまっていました。 でも、必要なのは集約した情報をユーザに見やすく提供することなのです」
「改めて業務部門へのヒアリングを行い、何が必要な情報で、どうすればそれらの必要な情報が見やすく提供できるのかを再検討しました。そこで過去にも共同開発の実績のあるドリーム・アーツ様にも参加していただき、システム構築を行っていくことにしました」
ファーストリテイリングでは、一連の改革の成果を来年3月から評価を開始できるものと考えており、事業の更なるグローバル展開を目指して今後も着々と改革を進めていく。
「いくつかの段階を経て情報共有の仕組みが整えられ、ポータルとしては本格的なものになりつつあります」
「これまでのところ、評判はいいと思います。どこの部署からもこのシステムは使いにくいという話を聞いたことがありません。システム導入時には教育の必要がまったくありませんでしたし、これはINSUITE®が直感的に業務が行えるようデザインされているからではないでしょうか」
「ドリーム・アーツらしさを失わないで欲しいと思います。コンピュータの仕事をしていると、技術面ばかりが表面に出てきて、そこに載せられる内容が軽視されることもあります。技術論も非常に重要ですが、その中身、エッセンスについて相談できたのがドリーム・アーツでした。いろいろなシステム会社とのお付き合いがありますが、その多くが一方的とも言えるシステム提案をしてきます。ドリーム・アーツには、情報の作り方、プロセス、確度などを一緒に考える、つまりシステムの中身に対しても価値観を出してきて欲しいという要望に応えられる企業であり続けて欲しいと思います」
INSUITE®Enterprise ユーザ数 700名
INSUITE®Enterprise EIP拡張
